西部戦線の英軍重砲
ベルギーの村の被害
廃墟を活用した通信壕
上 西部戦線の英軍重砲
中 ベルギーの村の被害
下 廃墟を活用した通信壕
(『欧州大戦写真帖』より)
 

カイゼン視点から見る

第一次世界大戦


A Review on World War I from Kaizen Aspect

第一次世界大戦の参考図書・資料

第一次世界大戦に関する
映像・写真資料

航行中の英艦隊
英軍の戦車
米軍の毒ガス対策
上 航行中の英艦隊
中 英軍の戦車
下 米軍の毒ガス対策
(『欧州大戦写真帳』より)
 
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第一次世界大戦の映像・写真資料

最初に、第一次世界大戦の具体的なイメージが手早く分かる、当時の映像・写真資料についてです。


NHKスペシャル 『映像の世紀 第2集 大量殺戮の完成』

NHKスペシャル『映像の世紀』は、動画の映像記録を残せるようになった20世紀という時代について、日本のNHKとアメリカABCの共同取材により、世界各国で保管されてきた実際の記録映像を使用して、その歴史を描いたシリーズであり、1995年3月から1996年2月にかけて、全11集が放送されました。

第一次世界大戦を取り上げた第2集では、当時の映像で下記の内容が示されています。

  • 機関銃のすさまじい殺傷力、従来の突撃戦法の無力さ、鉄製ヘルメットの導入

  • 塹壕と鉄条網、おびただしい死体、「塹壕足」や「シェル・ショック」の症状
    野戦病院での治療

  • 植民地からの大量の兵力動員、銃後での女性の活用、女性兵士の登場

  • 毒ガス使用の開始、ガスマスクや空気ボンベによる対策
    戦車、トラック、装甲車、鉄道砲などの導入

  • ツェッペリン飛行船による空襲、飛行機の活用、空爆の開始と空爆技術の進化

  • Uボートによる海上輸送妨害、食糧不足と栄養不良

これで全ての内容をリストアップしているわけではありません。当時の列強各国の元首やら、徴兵検査の状況やら、地中海に遠征した日本海軍やら、さらに多くの記録映像が詰まっています。映像を背景に語られる当時の証言としては、レマルクやツヴァイクはもちろん、アドルフ・ヒトラーまでも取り上げられています。

実際に兵器が使われている状況が、あるいは塹壕の内部が、動画の記録映像で見られる、という点がこの番組の最大のメリットであり、優れた研究書が束になってもかなわない点です。第一次世界大戦を知るためには、そしてそれがまさしく大量殺戮の大戦争であったことを理解するためには、必見の資料である、と思います。

筆者は、この番組を、CSのヒストリーチャンネルでの再放送で見ました。このシリーズは、DVDが販売されているようです。図書館で借り出せるかもしれません。また、NHKオンデマンドでも配信されているようです。

このNHKスペシャルについては、本ウェブサイト中の「世界の常識と日本の常識」および「第一次世火大戦の総括 A 大量殺戮の実態」のページで、触れています。


セレブロ制作 『映像でつづる20世紀世界の記録 第3巻・第4巻』

やはり映像記録を集めた作品です。全34巻のうち、第3巻 「第一次世界大戦」・第4巻 「ロシア革命とベルサイユ体制」が、1914〜1918年の大戦期間中を扱っています。

番組としての内容構成では、やはりNHKスペシャル 『映像の世紀』の方が上、という印象を免れませんが、NHKスペシャルでは使用されていない映像記録がいろいろ入っている、という点で、それなりに価値があります。

このシリーズは、もとはVHSビデオテープの時代の作品ですが、現在はDVDが販売されているようです。図書館で借りだせるかもしれません。


豊泉益三編 『欧州大戦写真帖』 三越呉服店 1918(大正7)

第一次世界大戦の写真については、やはり圧倒的に欧米の方が豊かです。インターネットで、例えば「ww1 photos」などと英語で検索をかければ、欧米サイトの写真を多数見ることができます。

日本で出版された『欧州大戦写真帖』をここで挙げているのは、それが当時日本ではどこまで欧州大戦の状況が知られていたのかを示す資料でもあるためです。本書は、国立国会図書館「デジタルコレクション」中で、インターネット公開されています。

本写真帖の編者の豊泉益三は、三越の人で、『越後屋覚書』や『越後屋から三越』などの著書もあるようです。

本書には、大正7(1918)年11月の日付で、三越呉服店による「序」が付されていますが、その中で、日本橋三越呉服店は、「英、米、仏、伊の各国大使および白国〔ベルギー〕公使の賛助を得、特に各本国政府より近着の写真数百枚の貸与を乞い、十月十八日より八日間当店五階において一般の展観に供せり … 当店はさらに各国大公使の賛成を得て、展観せる写真中百点を選びこの写真帖を作れり」と、この写真帖出版の経緯が明らかにされています。

三越での写真展は大正7年10月18日からですから、欧州大戦の休戦直前、本書の出版は、奥付に同年の11月29日発行とあり、休戦の直後であったようです。

このウェブサイトの各ページのタイトル部にある写真は、本書から引用しています。



次は、第一次世界大戦を主題とした、あるいは重要テーマとして含む文学や映画の作品についてです。


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